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道しるべ 転

奇特な後輩

コッソンイという文集をご存知でしょうか。全国のウリハッキョの初級部3年生から高級部3年生までの作文を募集し、その中から優秀な作品を載せた文集です。毎年行われるのですが、同学年で選ばれるのは、3名ほどなので、かなり狭き門だと思います。以前赴任していたときの教え子が今学年度、その狭き門を突破し、見事金賞を受賞しました。その作品が朝鮮新報に紹介されたのですが、あまりの感動に涙が止まりませんでした。

タイトルは「奇特な後輩」です。現在その学校の中学3年生は1人。受賞した子は2人のクラスで、中学3年生のときに大変だった経験から、大丈夫だろうか?と心配になり、電話をしたという話題から、その子に思いを伝えたり、中学時代を回想したり、未来に向けてがんばろうという内容がこと細かく書かれていました。

その学校はかなりの小規模校。初中級併設校で生徒数は年々減っていて、現在は、10人を切ります。しかし、少人数だからといって出来ないことはない、少人数である利点を生かしたやり方で運営しています。私も信念を持って指導しました。でも前述の通り、本当の意味での彼らの気持ちは正直わかりません。自分は絶対出来ると思っていても、生徒たちは大きな負担や不安を抱えているのではないかと。しかし、その子の作文には、それを払拭させてくれる内容が書かれていました。16年間抱えていた不安が一気に解消されました。自分が信念を持ってやってきたことは間違いではなかったといわれているようでした。今まで携わってきた生徒たちの顔が走馬灯のように思い起こされ、彼らと過ごした貴重な思い出がさらに輝きを増したように感じました。
受賞したのが、先日成人を迎えた子の妹です。皆さん、朝鮮新報のHPで読むことが出来るので、ぜひ一読して下さい。

http://chosonsinbo.com/2015/02/sinbo-k_150204/