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【僕はもう帰ります!】~婚活関西男はふと思う~

参加者からの投稿

彼:「 僕はもう帰ります。」

私:「 俺も一緒に行くし、そばにいるから二次会も諦めずに行こう。」

彼:「… いや、帰ります。」

私: 「なかなかうまく話せないのはわかるけど、ここで帰ったら何も進まないぞ。」

彼:「僕は 好きでこういう性格になったんじゃないんです!」

…とある出会いのパーティでのひとコマ。一次会が終わりを迎え、二次会への移動の最中で『彼』と『私』の間で起こった出来事です。

女性との会話に慣れていないせいか、一次会であまり上手く立ち回れていなかった彼。
私は彼とはほとんど初対面でしたが、そんな彼の不器用さを横目で見ながら、その姿に何故かとても親近感を覚えていました(似ているところがあるからなのかも)。
二次会に移行してもきっと彼一人では上手く立ち回れないだろうと考えた私は、ついつい先の余計なお世話をやいてしまったのです。彼はそのまま帰っていきました。

…おそらく人は誰もが、自分以外の人に自分の話をよく聞いて欲しいし、自分のことをよく理解して欲しい、認めて欲しいと願います。人を愛し、そして人に愛されたいと願います。その相手が自分の好きな異性だったら尚更のことです。

しかし、その願いを頭では理解し、どんなに切実に感じていても、それを表現したり行動できない人達もいます。
自分を素直に出せない、表現できない、人前で喋れない、上手く会話ができない、気持ちの伝え方がわからない、人が怖い、人の愛しかたがわからない等々…そうなってしまった原因は大なり小なり様々だと思います。

過去に何かしらの心の傷を負っていたり、イジメられた経験をもっていたり、望まない生き方を強いられてきたり、コンプレックスで悩んでいたり…
中でも家庭環境の複雑さは、その人の一生の中に『行きづらさ』を植え付けやすいと聞きます。

『自分』が上手く直視できない、『自分』を直視してもらえない…

『世間』は時に、彼らのそんな姿を見て「努力が足りない」「甘えている」「空気が読めない」「自分だって○○だった」と言いたて、自分たちの『そば』から突き放そうとします。大人の世界では『当たり前』のことなのかもしれませんが…

しかし、もう一つの『当たり前』もあるのではないでしょうか?

人ひとりひとりの背景に思いを馳せ、寄り添い、教えを請うという姿勢も、『当たり前』であっても良いのではないでしょうか?

人は必ず自分の価値観で他人を測ろうとします。それをやらない人間はおそらく、世界中どこにもいないでしょう。しかし、出会う人の全てが…自分とは異なる唯一無二の人生を歩んでいます。
であればこそ、自分の価値観だけでその人の全てを理解したり、『人物』を決めつけたりすることにはとても無理があるように思えます。

自分の価値観に責任を持ちつつも、常にその価値観に『疑い』を向け、それによって新しく見出される『違い』に学ぶことでしか、その人の真実に近づけないのではないでしょうか。

『出会いの場』は確かに勝負至上主義です。自分について自信をもって語る雄弁さ、上手な相手への気遣い、容姿端麗、安定した社会的地位…そういった『わかりやすさ』が有利になる、それはそれで仕方のないことでしょう。好き嫌いも理屈ではないのだから。
私自身もやはり、好みとしての好き嫌いは『わかりやすさ』に左右されていると思います。

全然説得力はありませんが…それでも私は思うのです。

『出会いの場』であれどんな場であれ、もう少し『わかりにくさ』を大切にする心掛けがあっても良いのではないでしょうか?『わかりにくさ』中にも貴重なものが、見落としてはいけないものがきっとあるのではないでしょうか?

在日婚活の場にも、いろんな『わかりにくさ』があると思います。『悲しみ』『悩み』『不安』などの声もあると思います。

しかし、昨今はそう言った声になかなかスポットが当たっていない、積極的な関心があまり払われていない気がします。

これを最後まで読んでいただた方の中で、在日婚活をする上で普段なかなか打ち明けにくい悩みや不安、不満などを抱えている方がもしいれば、是非一度、その声を聞かせていただけませんか?(もちろん匿名でも構いません)

私への辛辣な意見でも構いません。その声により多く学ぶことができれば幸いです。

Kanfuu123@mail.yahoo.co.jpまで。

…後日、私は彼に「二人で一緒に酒でも飲みに行こう」とメールし、そして約束を取り付けました。
しかし当日、彼は私の前に現れることはありませんでした。連絡もありませんでした。
でも私はまったく怒っていません。初めての街を一人でさまよいながら、私は彼に対して申し訳なかったという気持ちでいっぱいでした。

最後に、この場を借りて、そしてこの場で話題にしたことも含めて、彼にお詫びしたいと思います。

すまんかった。

【終】