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在日婚活コラム「ウリ民族フォーラム2014 in 長野に参加して」

特別な思い
 ウリ民族フォーラムとは、青商会が主催し、同胞社会の未来、特にウリハッキョの未来について公開討論をするイベントです。各都道府県を巡り開かれるのですが、今年は長野で行われました。
 今回のフォーラムを仕切る長野青商会会長は同級生。そして、中央青商会会長も同級生なら役員たちも同級生がずらりと顔を揃えています。彼らがフォーラム成功のため、どれだけの惜しまぬ努力をしてきたかを思うと感慨深く、特別な感情を抱かずにはいられませんでした。
 今回、深く考えさせられたことは、「伝統を守る」、「代を受け継ぐ」、「夢を紡ぐ」ことの難しさと大切さです。
オープニングのチャンダンから、レベルの高さに度肝を抜かれながらも、そのことを考えさせられました。

伝統を守る
 長野朝鮮初中級学校は、芸術競演大会で何度も優秀作品に選ばれるほど、チャンダンのレベルが高いと全国的にも有名な学校です。それを初めて目にしたのは、今から十数年前に愛知朝鮮中高級学校を訪問したときでした。歓迎会をしてくれるということで寄宿舎に呼ばれた私たちを迎えてくれたのが、寄宿生によるチャンダンでした。中学生のときに前述した大会で優秀作品に選ばれたというそれは、歓迎会レベルを遥かに超えていました。培ってきたものを閉ざしてはならないと、週に何度か寄宿舎で練習をしているとのことでした。高校生ともなれば、勉強にクラブ活動に遊びに忙しく、そんな暇はないはず。ましてや寄宿舎生活なので、炊事、洗濯などもこなさなければならず、時間がいくらあっても足りないぐらいなのに、彼らは自主的に進んでやっていると聞き、驚きと感動を覚えたことを今でもはっきりと記憶しています。
 (もしかしたらそのときの高校生がこの中にいるかも)そう思ったら胸に込み上げるものがありました。
 よく見ると、朝青世代の青年だけでなく、中学生や高学年と思しき少年の姿もありました。この間練習しただけで、出来るレベルの代物ではありませんでした。23年前からチャンダンの指導を始めたそうですが、その火を絶やすことなく伝統を受け継いできたからこそ出来るのだと感じました。23年間この伝統を受け継いできたんだ、これからも伝統を受け継いで行くんだ、そう叫んでいるように感じられ、涙が止まりませんでした。
 
代を受け継ぐ
 映像で観たある同報の言葉が忘れられません。
 長野にまだウリハッキョがなかったころ、東京や大阪、群馬や茨城のウリハッキョへ通わせていたそうです。その同報は、3人の息子を寄宿舎のある北陸のウリハッキョへ通わせたそうですが、子どもたちは親元を離れたくないと、連れて行く度隠れたそうです。そのときのことを振り返りながら言った一言が、
「朝鮮人として生きていくんだ、これぐらいの苦労を乗り越えてもらわなければ。」
ズシリと胸に響きました。一世同胞の強さを感じました。この方たちの思いが形になり、今ウリハッキョが存在するのだと、この思いを受け継がなければならない、そして伝えていかなければならない、改めてそう感じました。

夢を紡ぐ
 生徒たちの夢を聞き、その夢を叶えた方々に話を聞いたり体験したりするメアリプロジェクト、素晴らしい企画だと思いました。子どもの頃、このような体験が出来たら、また違った人生を送っていたかも知れないと、羨ましく思いました。
 私の夢は何だろう、久しぶりに自問自答してみました。大小様々な夢がありますが、一番の夢は、未来永劫、在日同胞が幸せに暮らすことです。偉そうな夢で申し訳ありません。でも自分がやりたいこと、やろうとしていることの一番先にあるものを考えると、どうしてもこれになってしまいます。その中の最優先がウリハッキョを守ることであり、それが在日同胞の幸せにつながると信じています。

 自分のやろうとしていることにときどき不安を感じることがあるけれど、ウリ民族フォーラムに参加すると、それが一気に吹き飛びます。同じ思いを持っている方々がこんなにたくさんいるのだと、自分の抱えている悩みなどちっぽけなことだと。
 一歩でも夢に近づくために、ちみートークを広めようと再決心する今日この頃です。
 今日は七夕、短冊に祈りを込めて飾ります。思いが届きますように。